Subject   : 蛇行(meander)、曲流(meander)

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 蛇行(meander)、曲流(meander)
 河川の流路が多少規則正しく屈曲し、正弦曲線状、またはS字を連ねたような形を呈すること。曲流ともいう。

meanderの語源は、トルコのMeanderes川が著しく屈曲していたことに由来する。山地や丘陵地などに発達する峡谷状の穿(せん)入蛇行(incised meander)と侵食谷を形成しない沖積地上の自由蛇行(free meander)とに区別される。穿入蛇行は、下刻とともに側刻を行い、両岸の谷壁斜面の傾斜が異なる生育蛇行(ingrown meander)と、側刻に比べて下刻が著しく強く、両岸の谷壁が対称的な掘削蛇行(intrenched meander)とに区分される。自由蛇行や生育蛇行では、凹岸側(攻撃斜面)は水流により浸食され、凸岸側(滑走斜面)には土砂が堆積して、寄州(蛇行州)が形成される。その結果、屈曲の度合は次第に増大し、曲流に囲まれた袂(べい)状部は次第に下流側に広がるとともに、袂状部の基部にあたる頸状部は両側の河道が接近して狭くなる。洪水などによって頸状部が切断されたり、袂状部に新しい河道が形成されたりすると、旧河道は放棄され、三日月湖(oxbow lake、crescentic lake)が形成される。

山地河川に生じる下刻しつつある蛇行を、穿入蛇行(incised meander)という。粗大な岩塊・巨礫が河床に集積したバーを避けて下刻すると、河道の側方移動を伴う生育蛇行が生じる。側方移動しないものは掘削蛇行。広い沖積平野上の曲流は自由蛇行。日本のような泥の多い平野の河川は、凝集性の高い後背湿地堆積物によって側方移動が制約される制約蛇行が一般的。


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