Subject   : OLAP (online analytical processing)

カテゴリー : ビジネス > 情報処理


 OLAP (online analytical processing)
 膨大なデータを分析して何らかの問題点や因果関係を発見しようというとき、エンドユーザーでも対話的に試行錯誤をしながらデータベースを直接的に操作できるよう、多次元データベース構成とした分析型情報システムのこと。( オンライン分析処理 / 多次元分析処理)

 SQLなどのデータベース問い合わせ言語の知識を持たないユーザーが、コンピュータに蓄積されているデータを使って、自身のニーズに合わせた自由な分析を行うには、ユーザーにも分かりやすく、快適に操作できる環境が必要である。そのためにデータを多次元構造の形で用意し、大容量のデータでもスムーズにハンドリングできるよう、各種の仕掛けを凝らしたシステムがOLAPである。専用の多次元データベースを持つMOLAP(Multi-dimensional OLAP)と、リレーショナル・データベースで擬似的に多次元データベースを表現するROLAP(Relational OLAP)に大別される。

 OLAPによる多次元分析は、例えばある会社の販売実績であるならば、「地域別」「製品別」「月別」などの軸を設定し、“地域ごとの製品販売実績”“製品ごとの地域別販売実績”というように軸を入れ替えて比較する(ダイス)、「地域別」「製品別」を固定して「月別」の推移を比較する(スライス)、ある地域におけるある商品の販売を月別ではなく、さらに細かな日別のデータを表示する(ドリルダウン)などの操作を繰り返すことで行われる。

 多次元分析は、統計パッケージやExcelのピボットテーブルなどで可能だが、商用のOLAP製品を利用することで販売管理や在庫管理などのソースとなるデータベースを逐次参照しながら設定した分析手法を再利用できるので、ある程度の分析・リポーティングの自動化が行える。また、分析作業量が多い場合はソース・データベースへの負荷を提言するためにOLAP用のデータウェアハウス/データマートを立ち上げることが推奨される。

● コッド博士のOLAPに関する12のルール
  1. 多次元的概念ビュー
  2. 透過性
  3. アクセシビリティ
  4. 一貫したレポーティングの性能
  5. クライアント/サーバ・アーキテクチャ
  6. 次元の一般性
  7. 動的スパース行列処理
  8. マルチユーザーのサポート
  9. 制約のない次元間の演算処理
  10. 直感的データ操作
  11. 柔軟性のあるレポーティング
  12. 制限のない次元や集約レベル
(E.F.Codd, 1993)
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