Subject   : 小惑星(minor planet、asteroid)

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 小惑星(minor planet、asteroid)
 火星と木星の軌道の間にあって太陽を公転している小天体。アステロイドとも。

1801年第1番小惑星ケレスが発見されて以来、発見数は年ごとに増え、1994年6月23日までに軌道が確定し登録番号が与えられた小惑星は6028番に達する。実際はおそらく数万個以上あると推定される。これまでにわかった小惑星の大部分は軌道長半径2.1〜3.3天文単位の範囲にあり、その平均値2.8天文単位はチチウス-ボーデの法則の値に一致する。大きさはケレスの直径910kmが最大で、大部分は直径100km以下である。小惑星のなかには、軌道長半径・離心率・軌道傾斜角が互いによく似た値をもつグループがいくつもあり、核と呼ばれている(1918年平山清次が発見)。

小惑星の物質組成は、表面の反射スペクトル(波長0.6〜4μm)を組成のわかった地上の各種物質の反射スペクトルと比較して推定し、C型(炭素質隕石に似た暗い表面をもつ)、S型(石鉄隕石に似る)、M型(隕鉄に似る)などに分類される。小惑星と隕石の間に密接な関係があるとされているが、各型が対応する隕石とまったく同じ組成であるかどうかは検討の余地がある。

● 小惑星帯(asteroid belt)
小惑星の多くは火星と木星の軌道の間を公転しており、あたかも帯状に分布しているようにみえるので、これを小惑星帯という。特に大部分の小惑星が集中している軌道長半径2.1〜3.3天文単位の範囲をメインベルト(主小惑星帯)と呼ぶ。メインベルト内の小惑星分布は一様ではなく、木星と小惑星の公転周期の整数比が3:1、5:2、7:3、2:1になる所(共鳴帯)には、小惑星がほとんど存在しない。この部分を発見者の名にちなんでカークウッドの空隙(Kirkwood gap)と呼ぶ。一方、メインベルト外側の共鳴帯には小惑星が群をなして存在するという逆の関係がある(例えば3:2のヒルダ群、4:3のチューレ群、1:1のトロヤ群など)。こうした小惑星帯内の分布の不均一性は、共鳴点にある小惑星の軌道進化の結果とみられる。なお、小惑星帯からはずれて離心率の大きな楕円軌道を描く小惑星もあり、特異小惑星(地球に近づくものは近地球小惑星)と呼ばれる。
 ⇒ 宇宙線(cosmic rays)

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