Subject   : 太陽(sun)

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 太陽(sun)
 恒星の1つで、太陽系の中心となる。半径は6.96×108m、質量は1.99×1030kgで、これらの数値は天体の諸量の単位としてもちいられることがある(太陽質量の記号としてM◎(内側の丸は黒丸)が用いられる)。銀河系の中心から約3万光年の距離にあり、太陽運動をしている。表面に見える黒点などの斑紋の移動やスペクトル線のドップラー効果から自転が認められ、自転軸によって太陽面の赤道、緯度が定義される。キャリントン(R.Carrington)が統計的に算出した太陽赤道と黄道の傾斜は7゜15'、昇交点黄経は73゜57'である。自転の角速度は赤道の方が大きく(赤道加速という)、緯度をφとしてa−b sin2φで表わされ、黒点ではa=14.43゜、b=2.13゜、Ca羊斑ではa=14.56゜、b=2.98゜である。赤道での自転周期は約25日、地球から見た値は約27日となる。放射するエネルギーの全量は3.8×1026J/sで、地表に達する量の基準は太陽定数で与えられる。光のほか、X線や太陽電波なども放射される。太陽スペクトルから、スペクトル型G2のふつうの矮星で、有効温度は5800Kと推定される。恒星内部構造論から水素とヘリウム量が推定されるが、水素が他の元素よりもきわめて多く、ヘリウム量には不確定さが残る。太陽大気の重い元素の化学組成は炭素質コンドライト隕石といちじるしい相似性を示し、両者から太陽系元素組成が決められている。  中心の温度は約1.4×107K、密度は102g/cm3と計算され、核融合反応によってエネルギーを発生する。内部と表層大気では放射平衡が成立するが、表層の下から半径の約1/10の深さまでは対流層がある。表層には外から順に、コロナ、彩層があり、その内側を反彩層と光球に分けるモデルを用いることもある。対流層の影響は表層におよんで、光球に粒状斑、白斑、黒点、彩層に羊斑などを生じ、コロナには紅炎が現われる。密度は外側ほど減少しているが、温度の低下は反彩層までで、彩層(1万度)、コロナ(150万度)と上昇し、対流層から非熱的にはこばれるエネルギーがこの高温をささえる原因と考えられている。黒点など表面に見える各種の斑紋は、生成、消滅、変動をくりかえし、それぞれの総量はほぼ同様な周期で変化するので、黒点の盛衰の周期を太陽活動周期ともいう。黒点は103ガウス程度の磁場をもつが、ほかに10ガウス程度の磁場も点在する。極付近には1ガウス程度の一般磁場が存在して、太陽活動とともに変化し、太陽活動の上昇期には中間の0をはさんで極性が入れかわる。太陽の磁場はダイナモ理論で考察されている。太陽活動の盛衰は直接に、あるいはコロナから吹き出している太陽風を通じて地球にも影響を及ぼし、大きいフレアのときには高エネルギー太陽風、γ線、X線バースト、電波バーストなどが観測され、地球では磁気嵐がおこる。太陽から放射される高エネルギー粒子は宇宙線の一部を構成し、太陽宇宙線とよばれる。太陽の年齢は、隕石の年齢などから約46億年と推定され、これからほぼ同じ期間だけ主系列に滞在し、その後、赤色巨星へと進化する


 ⇒ プレートテクトニクス(plate tectonics)

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