Subject   : 海進と海退

カテゴリー : 技術 > 


 海進(transgression)
 海岸線が陸側に前進してくること、あるいは陸地が海の進入を受けること。 海浸とも書く。

海岸線の位置は、汎世界的海水準(ユースター)と陸地の上下運動とがつくる相対的海水準変動、砕屑物の供給、波浪や沿岸流などの沿岸の運搬営力とのバランスによって保たれているが、相対的海水準が上昇したとき、砕屑物の供給に対して海の運搬営力が勝ったときなどに海進が起こる。このとき海成層はオーバーラップの関係で陸側に広がり、古い地層・岩体の上にラビンメント面などの海進に伴う不連続面を挟んで重なる。

 海退(regression、marine regression)
 海岸線が海側に後退し、陸域が拡大すること。海進の対語。

堆積空間の増加に対して砕屑物の供給が勝ったときや相対的海水準の低下による堆積空間の減少によって引き起こされる。地層中に残される海退の記録は、沿岸環境を示す堆積相が上方に向かって浅海化することによって残される。すなわち、陸棚を示す泥岩層から外浜を示す砂岩層へ上方粗粒化する地層の累重をつくる。この間に海水準の低下による急速な海退が起こると陸棚堆積物が外浜浸食を受け、陸棚堆積物と外浜堆積物の間に浸食海退面と呼ばれる不連続面が形成される。また、海退は堆積物の前進埋積作用を引き起こすので、上位の地層が下位の地層へダウンラップする構造をつくる。
 ⇒ 地質年代表

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