Subject   : 構造トラップ

カテゴリー : 技術 > 


 構造トラップ
 根源岩中から排出され貯留岩中を上方に向かって移動してきた石油・天然ガスの移動を封鎖し、炭化水素の集積をもたらして石油鉱床を形成する特定の場所。貯留岩とそれを直接覆う帽岩が存在すること、及びそれらが石油の逸散を防ぐために上方に向かって閉塞した形態を取っていることがトラップ形成の条件である。その閉塞形態をもたらした原因にもとづき、大きく構造トラップ、層位トラップ、組合せトラップに分類される。

 構造トラップは、褶曲・断層運動等の構造的要因によって形成されたトラップを指す。背斜やドーム構造のカルミネーションに形成された背斜トラップが最も一般的であり、世界の主要油・ガス田の約80%がこれに相当する。また、断層運動によって貯留岩の連続が断たれ、断層を介して泥岩などの不浸透性の岩石と接することによって成立するものを断層トラップという。層位トラップは層位的要因によって形成されたトラップを指し、貯留岩が地層傾斜の上位方向に向かって不浸透性の岩相に変化したもの、不浸透性の地層中に周囲から孤立して発達するレンズ状の砂岩体・礁性石灰岩等が一般的である。また、多孔質ないしはフラクチャの発達したレンズ状火山岩体も同様の機構のトラップを形成しうる。

 不整合によって生じた不整合トラップも層位トラップの一種であり、不整合面の下位にある貯留岩の連続が不整合面によって断たれてできる場合と、上位の地層が不整合面と傾斜角を異にするために貯留岩が不整合面に当たって尖滅してできる場合がある。組合せトラップは、構造・層位トラップの各型が複数組合わさって形成されるトラップであり、レンズ状の砂岩体が褶曲・断層運動によって閉塞構造を形成したもの、背斜の一部が断層によって孤立したもの等、その種類は多岐に亘る。現実には単にトラップと言われているものの大部分が組合せトラップにあたる。
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