Subject   : 堆積盆地(sedimentary basin)

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 堆積盆地(sedimentary basin)
 中央部に厚い堆積物がたまっている盆地状の沈降域のこと。堆積盆、ないしは積成盆地ともいう。空間的広がりと存続期間はさまざまであるが、一般に堆積物の厚さは数千m〜一万m、存続期間は数百万年〜数千万年に達する。

 堆積盆地の形成・発展は一種の地殻変動であり、それが存続するためには盆地状の凹みが堆積物によって埋め尽くされないように沈降運動が継続すること、及び隣接する陸域に相対的な隆起運動が継続し、堆積物が連続的に供給されることが条件となる。また、近年は周辺地域よりも堆積物が厚く累積した地域の総称として用いられる傾向にあり、必ずしも盆地状の形態を示さないデルタや海底扇状地等もその範疇に含められることが多い。

 堆積盆地の形成機構・分類に関しては、かつては地向斜造山論に立脚するものが主流であったが、近年になりプレートテクトニクスの概念が導入されたことにより、堆積盆地の分類・評価は著しく発展した。Klemme(1980)他はこれらの新旧さまざまの考えを総合して、堆積盆地を堆積物の種類、量、規模、及び大陸地殻と海洋地殻から見た盆地発達の位置関係等から、タイプ1:内陸型、 タイプ2:内陸複合型、 タイプ3:リフト型、 タイプ4:downwarp型、タイプ5:pull-apart型、 タイプ6:サブダクション型、 タイプ7:median型及びタイプ8:デルタ型に分類した。
 このうちタイプ1、2、3は安定地塊上の内陸堆積盆地であり、タイプ4以下は造山帯やサブダクションに関係する大陸縁辺型の堆積盆地に相当する。ただし、堆積盆地発展の原因・機構には未解決の問題点が多く、この分類も今後改訂される余地が大いに残されている。

 石油鉱床を胚胎する場はその殆どが堆積盆地内に作られることから、堆積盆地の規模・形態・タイプを知ることは、その地域の石油ポテンシャルを評価するための基本的な要素となる。リモートセンシングの有する広域同時性の特質を生かせば、堆積盆地の概要を把握する上で力を発揮する。
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