Subject   : 散乱断面積(scattering cross-section)

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 散乱断面積(scattering cross-section)
 物体が電磁波を散乱する度合いを表す量で、電磁波の入射方向と観測方向が一致する場合には後方散乱断面積、入射方向と観測方向が異なる場合には双方向散乱断面積という。

 散乱断面積は面積の次元をもつ量で、次のように定義される。平面波の電磁波が物体に入射するとき、物体はある「面積」をもって電磁波をさえぎり、そこに入射する電力を等方的に再放射するとする。この仮定のもとで求められる散乱電力が実際に観測される散乱電力に等しくなるように上に仮定した「面積」を定めるとき、その面積を散乱断面積という。

 散乱断面積は、一般に物体の大きさが波長に比べて小さい場合には幾何学的断面積より小さく、物体の大きさが波長より大きい場合には幾何学的断面積と同程度となる。平面反射板やコーナーリフレクタなど、レーダで使われる特別な反射体では、後方散乱断面積を幾何学的断面積に比べて格段に大きくすることができる。
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