Subject   : 走査方式(scan system)

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 走査方式(scan system)
 衛星リモートセンシングにおける各種センサの主な走査方式には、航空写真や複数の光電変換素子を二次元的に構成した一般のCCDビデオカメラのようなフレームセンサ(frame sensor)によってプラットフォームの移動と共に移動方向に得られた映像面を逐次的に走査する像面走査方式と、数個の光電変換素子または電荷結合素子からなるポイントセンサ(point sensor)によってプラットフォームの移動に加えて対象物(地上)面を機械式走査を用いて、直角方向に走査する対物面走査方式がある。特に後者は素子を一本ずつ走査することからウィスクブルーム(whiskbroom)方式とも呼ばれる。

 像面走査方式では、得られた一つの画像面内に含まれる全画素の観測時刻が全て同じになることが特徴であり、また対物面走査方式では、広い範囲の走査に適している。これらの利点を兼ね備えた方式として、ファクシミリなどに使用されるCCDと同様に複数の光電変換素子を一次元的に一列に並べたリニアアレイセンサ(linear array sennsor)を衛星の進行方向に直交配列し、衛星移動と共に電子式走査により画像データを得るプッシュブルーム(pushbroom)方式がある。

 CCDを用いたプッシュブルーム方式はMOS-1 / MESSR、 SPOT / HRV、JERS-1 / OPSのVNIR / SWIRなど最近の衛星に多く採用されており、機械式走査に比べ、1ラインのデータが同じ観測時刻にて一度に得られ、機械的可動部が少なく信頼性が高くなる利点が得られる。しかし、製造上素子間の特性上のばらつきがあるとノイズへの影響を受けることになる。これに対して、スキャンミラーなどを用いた機械式走査は、観測幅が広く、バンド間の位置ずれが少ない、また解像力が高いなどの利点がある。 LANDSATシリーズのMSSとTMに採用されているが、SN比がよくないという欠点がある。
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