Subject   : 反射スペクトル(reflectance spectrum)

カテゴリー : 地学 > 


 反射スペクトル(reflectance spectrum)
 物体表面に入射する放射束に対する反射放射束の比を反射率(reflectance)と呼ぶ。この反射率が単位波長当たりの量として求められる場合、その量を分光反射率といい、ある波長領域で得られる一連の分光反射率を反射スペクトルと呼ぶ。

 可視近赤外〜短波長赤外域のリモートセンシングにおいては、この反射スペクトルの特徴から地表構成物の識別が試みられている。反射スペクトルの特徴は、物質、波長帯により、その特徴を形成する原因は異なる。鉱物の反射スペクトルは、結晶場効果、二価鉄(Fe2+)と三価鉄(Fe3+)の間での電荷移動、水分子(H2O)、水酸イオン(OH-)、炭酸イオン(CO32-)による振動の倍音(overtone)や結合音(combination tone)等による吸収で特徴付けられる。

 岩石の反射スペクトルにはその構成鉱物の特徴が現れるが、主要構成要素である珪酸塩の反射スペクトルにあまり特徴がないため、風化、変質等により二次的に生じた鉱物の特徴が岩石全体のスペクトルを支配することが多い。また、植物の反射スペクトルは植物中のクロロフィルの反射スペクトルと水の存在に特徴付けられる。


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