Subject   : 株式持ち合い(cross-shareholding)

カテゴリー : 政治・経済


 株式持ち合い(cross-shareholding)
 金融機関や事業法人などの会社同士が互いに相手の株式を持つこと。

 株式の安定化、企業間の取引関係強化や業務提携、経営権の取得、グループ化といった狙いで取得するケースが多かった。資本自由化で外資による会社支配の懸念の高まった1960年代後半から顕著に進んできたが、株式持ち合いにより安定株式の比重が増すと、株式市場での株の流通量が減って株価が実態以上に高くなったり、一般投資家の株式投資への参加を妨げることになったりするという批判が出ていた。
90年以降には、株価の急落で持ち合い株式の評価損、含み損が大量に発生。業績悪化の中で経営や資金を効率化する必要性が叫ばれ、銀行を中心に株式を売却して持ち合いを解消する動きが広がった。持ち合い解消の動きは目先の株価上昇を抑えることにつながるが、長期的には経営効率を向上させるものと見られている。
最近では、大手鉄鋼会社のように買収防衛の観点から持ち合いに動く企業も増えている。

● 株式の保有制限(regulations on stock holding)
 金融機関などが特定企業の株式を一定以上保有するのを制限すること。  1977年5月に成立した改正独禁法では銀行について総発行株式数の5%以上を保有してはならないなどと規定している。ただ、企業救済など特別の理由がある場合、金融機関が5%以上の株式を保有するのを弾力的に認めることにしている。株式保有を制限しているのは、株式を通じて企業を支配することにより自由な競争が制限されるなど種々の弊害が生じるのを防ぐことが狙い。銀行には株価動向で経営が揺さぶられないようにするため自己資本の範囲内に株式保有額を抑える規制もある。
 ⇒ 株式 (Equity)

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