Subject   : アクティビズム(Activism)

カテゴリー : 政治・経済


 アクティビズム(Activism)
 株式の購入を通じて企業の経営に積極的に関与し、企業価値(=保有株)の向上を目指す投資手法。

 こうした手法を用いる投資家を「アクティビスト」と呼ぶ。日本では「モノ言う株主」とも言われ、株主総会に出席して積極的に発言するだけではなく、ときには役員を送り込んで経営のかじ取りまで行う。非効率な経営を行っている企業や役員に対して、株主の声を直接ぶつけることで企業価値向上につながるケースがある一方、短期的な株価上昇を狙って企業の資産の切り売りやリストラを求める例もあり、賛否両論がある。
日本では村上ファンドが阪神電気鉄道株の大量保有後、優良な不動産物件の切り離しや球団上場を要求したことなどが有名。従来の日本の経営者は企業活動で得た利益について、将来の設備投資に対する資金確保などの名目で内部留保を厚くし、配当や自社株買いなどの株主還元を二の次に回しているとの批判があった。アクティビストの登場で、株価が割安に放置されている企業はM&A(企業の買収・合併)の対象になりやすいという認識が広まり、大幅増配など株主重視の経営が定着する一つのきっかけともなった。一方、アクティビズムの根底には短期的な収益獲得という目標があり、安易なリストラや資産売却は本当の企業の長期的成長につながらないという批判も根強い。株を買い占めて企業に無理難題をふっかけ、当事者や第三者に高値で保有株を売り付ける投資家は「グリーンメーラー」と呼ばれ、「アクティビスト」とは異なる。
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